• ドローンはスーダンをさらに不安定化させる可能性がある
• ハルツームで目撃者の報告によると同市の上空にはドローンがいた

ロバート・ボシアガ

南スーダン、ジュバ：停戦の呼びかけにもかかわらず続く紛争に苦しむスーダンは、自国の戦場で物議をかもす新たな兵器と取り組んでいる。それはドローンだ。このような無人航空機は、継続中の戦争の形勢を変える力を持つかどうか疑問視する専門家の間で激しい論争の火種となってきた。

ドローンは相当量の迫撃砲弾を投下する能力を持ち、３ヶ月目に入った同国の紛争で憂慮すべき変化となっている。このような兵器化ドローンがこの地域に現れたのはこれが最初ではなく、イエメンと後にエチオピアでも同じような目撃報告があった。

またサヘル地域では、武装ドローンが紛争の力関係に著しい影響を与えた。このような空中プラットフォームは、マリ、ブルキナファソ、ニジェールで重要人物を標的にしたり反乱作戦を阻止したりするのに使われ、その有効性が確認された。ドローンによる状況認識の強化によって可能になったのは、治安部隊が先制攻撃をかけ、起こり得るかもしれない攻撃を阻止し、一般市民へのリスクを低減することだ。

スーダンの小規模だが恐ろしいドローン航空部隊は、中国製とイラン製に加え国内産の無人航空機で構成され、スーダンに高度な監視能力と正確な攻撃能力を与える。

الجنجويد يستخدموا هذا النوع من المسيرات الاماراتية ضد #الجيش_السوداني pic.twitter.com/JGTHrxp52b

— يوميات المارشال (@DMarshalSd) June 13, 2023

複数の紛争地帯でドローンが出現したことが示すのは、非国家主体が高度なドローン技術を利用して軍事的優位性を得るという憂慮すべき流れだ。このような技術が悪者の手に渡ると、結果として地域の安定と一般市民の安全に広範囲の影響が発生しうる。

ハルツームで目撃者の報告によると同市の上空、特に陸軍の戦車が拠点を置くハルツーム南部地域にドローンがいた。このようなドローンは、即応支援部隊のものと疑われ、戦車に攻撃をかけた結果、報復攻撃を発生させた。

専門家によると、これが意味するのはスーダンの紛争で用いられる戦術の著しい変化で、新たな水準の空中火力をもたらすので、正確な標的攻撃の実行が可能になる。

安全保障アナリストで平和研究者のFidel Amakye Owusu氏は、「ドローンの魅力は有人航空機対する簡便さとリスクの低さにある」と主張する。

しかし彼が警鐘を鳴らすのは、この簡便さのため不注意から紛争を長引かせる可能性があることだ。毎回のドローン攻撃は、紛争当事者にはメリットがある可能性があるものの、「結果として犠牲者を出して紛争をより複雑なものにし、平和的解決をますます困難にする」と彼はいう。

同様に、国際関係専門家のGordon K’achola氏は、スーダンのような国内紛争にドローンを採用することに対し警告する。「国の中ではあなたが誰を次の標的とするか分かりません。したがって、このようなシナリオでドローンが形勢を変えるのは非常に難しい可能性があります。」

الجيش بحوم فوق في الجو لقطات جديدة من مسيرات الجيش السوداني ترصد ميلشيا… https://t.co/iMplY5uG1h via @YouTube

— البعشوم (@B3shom) May 30, 2023

ドローンが状況を悪化させる可能性があり、その結果として派閥が戦争により深くのめり込むかもしれないと彼は主張する。

「南コーカサスのナゴルノ・カラバフのような国家対国家の紛争ではドローンの有効性が確認されたが、それとは異なり、このような空中兵器が内乱の渦中にある国の中に投入されると力関係が変化します」とK’achola氏はいい、このようなシナリオでは、明確な最前線がないことと敵味方の区別をすることの困難から、ドローン使用の影響は不透明になると指摘する。

K’achola氏はドローン攻撃が人権問題に重大な影響を与えることも指摘し、ドローンが戦闘員と非戦闘員を区別できないことを強調する。「子供や高齢者を含む罪のない一般市民がこのような攻撃で犠牲になる可能性が、すでに悲惨なスーダンの状況をさらに複雑なものにします」と彼は付け加えた。

スーダンでの紛争が見せたのは、戦争が進化するという性質で、ドローンは世界中の軍事戦略でますます大きな役割を担うようになる。紛争当事者の一方が制空権を持ち人間のパイロットへの危険を最少化しようとする場合には、ドローンの使用が条件を公平化する可能性はある。しかし、ドローンの急速な普及により、この技術の責任ある使用を保証し悪用を避けるため、国際協力と協調努力が不可欠になる。