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72時間の停戦2日目、スーダン支援国がジュネーブで会合へ

ハルツームでの戦闘は収まる兆しが見えず、小規模ビジネスのオーナーは苦境に立たされている。燃料価格が20倍に高騰し、商品を積んだトラックが戦闘に巻き込まれる危険もあるため、農産物を市場に出すことはもちろん、販売することさえもかなり難しい状況だ。(AFP)
ハルツームでの戦闘は収まる兆しが見えず、小規模ビジネスのオーナーは苦境に立たされている。燃料価格が20倍に高騰し、商品を積んだトラックが戦闘に巻き込まれる危険もあるため、農産物を市場に出すことはもちろん、販売することさえもかなり難しい状況だ。(AFP)
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19 Jun 2023 08:06:01 GMT9
19 Jun 2023 08:06:01 GMT9

ハルツーム:スーダンで交戦中の2人の将軍の間で、72時間停戦が合意された。切実に必要とされている援助物資の輸送を可能にすることが目的だ。停戦2日目にあたる6月19日にスーダンへの援助を話し合う国際支援国会合がジュネーブで開幕する予定となっている。

スーダン国軍を率いるアブドゥルファッターフ・ブルハン氏と彼の元副官で準軍事組織を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ氏は、激しい権力闘争で対立し、両勢力による戦闘が4月15日以来続いている。

この戦闘ではこれまで何度も停戦協定が締結されては違反されてきた。2,000人以上の命が奪われ、国外に避難した52万8,000人以上を含む200万人が家を追われている。

調停者の発表によると、最新の停戦は6月18日午前6時に発効し、両勢力は攻撃を控え、移動の自由と支援物資の提供を認めることに合意したという。

「サウジアラビア王国とアメリカ合衆国は、スーダン国軍(SAF)と即応支援部隊(RSF)の代表が、スーダン全土での72時間の停戦に合意したことを発表した」とサウジアラビア外務省が伝えた。

ハルツームの目撃者によると、状況は「落ち着いている」という。

ハルツームの双子都市オムドゥルマンに住むサミ・オマル氏は、「私たちは完全な休戦を望んでいます」とAFPに語った。

「元の生活に戻るには、一時的な停戦だけでは十分ではありません。彼らは戦いをやめるかもしれませんが、RSFは(彼らが占拠している)民家から出ていかないでしょう」

一方、ジュネーブでは国連が、複数の国家パートナーと協力してスーダンへの援助を話し合う国際支援国会合を開催する準備を進めており、6月19日午後の会議ではアントニオ・グテーレス国連事務総長も演説する予定となっている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は声明で、支援国は「進行中の人道危機に対処するための財政援助を発表し、スーダン紛争当事者が国際人道法に基づく義務を遵守する必要性を改めて表明する」見通しだと伝えた。

「現在までに、今年改定されたスーダンに対する人道対応計画(HRP)には、必要とされる25億7,000万ドルのうち16%未満しか集まっておらず、4億7,000万ドルの地域難民対応計画(RRP)にはわずか17%の資金しか集まっていません」

スーダンでの戦闘は、6月17日に交戦中の両陣営が停戦協定の遵守を宣言するまで激化していた。

RSFが停戦協定を遵守すると発表した一方、スーダン国軍は「停戦協定の遵守を約束するが、反政府勢力のあらゆる違反行為に対しては断固として対応する」と表明した。

サウジアラビアは6月17日、「当事者双方が72時間の停戦を遵守しない場合」、サウジアラビアで行われている停戦交渉を延期する可能性を示唆した。

交戦中の2人の将軍は同地域各国の首都にも特使を派遣している。

エジプトの首都カイロでは、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領が6月18日、ダガロ氏の後任としてブルハン氏の副官となった元反政府勢力指導者のマリク・アガー氏を迎えた。

市民支援委員会によると、6月17日に戦闘機がハルツームの住宅地を攻撃し、「子供5人を含む民間人17人」が死亡した。AFPはこの犠牲者数を独自に確認することができなかった。

RSFはスーダン国軍が住宅地を標的にしていると非難し、戦闘機1機を撃墜したと主張している。

RSFがネット上に公開した動画には、破壊された家屋や、死体と思われるものを覆う毛布が映っている。

首都ハルツームにある複数の外国公館が攻撃や略奪に遭っている。そのほとんどは戦闘開始以来業務を停止している。

チュニジアは6月18日、ハルツームにあるチュニジア大使公邸における「武装集団」による略奪行為に抗議した。

米NGO「武力紛争地域事件データプロジェクト(ACLED)」の発表によると、戦闘が始まって以来、スーダン全土の死者数は2,000人を超えている。

国連によると、現在、過去最高の2,500万人が援助を必要としている。これはスーダンの人口の半分以上にあたる。

スーダン西部のダルフール地方では激しい戦闘が続いており、米国の発表によると、西ダルフール州の州都ジェネイナだけで1,100人が殺害されている。

国境なき医師団(MSF)は、国境を越えてチャドには600人以上の患者(そのほとんどが銃撃による負傷者)が到着していると発表し、チャドでのベッドの追加とスタッフ増員の緊急呼びかけを行った。

チャドの暫定大統領マハマト・イドリス・デビー・イトゥノ氏は、「難民の流入」の規模を評価し、「スーダンとの国境が事実上閉鎖されていることを確認する」ために国境の町アドレを訪れたと、同国大統領官邸は発表した。

国際移住機関(IOM)は、スーダンでの戦闘により故郷を追われた約220万人のうち、少なくとも14万9,000人がダルフールからチャドに避難していると発表した。

米国はダルフールで今週発生した残虐行為は「主に」RSFによるものであり、報告されている人権侵害は、この地域でかつて起こった大量虐殺を「不吉に思い出させるもの」だと述べた。

ダルフールで長年続いている紛争は、2003年に反政府勢力の蜂起で始まった。当時の独裁者オマル・アル・バシール氏は民兵組織「ジャンジャウィード」を送り込み、ジャンジャウィードの行為は国際法廷から大量虐殺、戦争犯罪、人道に対する罪を問われることになった。

RSFの起源はそのジャンジャウィードである。

AFP

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