チュニス: ムベンゲ・ニンビロ・クレピンさんは砂漠で倒れて意識を取り戻したときには、すでに日が暮れていた。チュニジア当局は、彼と彼の妻、そして6歳の娘を、炎天下の中、水も与えず、徒歩で国境を越えてリビアに強制連行したのだ、と彼は言った。
ニンビロさんは疲れ果て、脱水症状で地面に崩れ落ちた、 彼は妻に、小さなメリーを連れて前方にいる何十人もの移民に追いつくよう促した。
“神の意志だ, リビアで再び会おう。” 彼は言った。
ニンビロさんは結局、そこに辿り着いたのだが、数日後、彼の妻と娘はほぼ間違いなくそこにはいないと判明した。
ソーシャルメディア上で広く共有されている生々しい写真には、髪を三つ編みにした黒人女性の無残な死体の隣で、幼い女の子が砂に顔を伏せている様子が写っている。
子どもは女性の隣で丸くなっており、裸足は赤く腫れ上がっている。
ニンビロさんはすぐに妻の黄色いドレスと娘の黒いサンダルがわかったという、 その横に座っていた娘の黒いサンダルだ。
彼はAP通信に、同じ服を着た二人が写っている最近の写真を公開した。
彼は、7月16日の砂漠でのあの日以来、妻のマティラ・ドッソさん(ファティマと名乗る) や娘と連絡を取っていないという。
ニンビロさんは、マティラさんとメリーちゃんが、チュニジア当局が7月上旬に集団追放を始めて以来、北アフリカ諸国の砂漠の国境地帯で死亡している所をリビアの国境警備隊に発見された十数人の黒人移民の一人であると考えている。ニンビロさんはカメルーン出身、妻はコートジボワール出身。
彼らは何年もリビアに住んでいたが、最終的にチュニジアから地中海経由でヨーロッパに行くことを望んでいた。
チュニジア国境に近いアル・アッサのリビア警察国境警備隊は、7月19日の写真に写っていた女性と子供が死亡しているのを発見した、とシャウキー・アル・マスリー報道官は述べた。シャウキー・アル・マスリー報道官は、それ以上の詳細や遺体の所在については明言を避けた。.
異なる国境警備隊が先週からリビア側で少なくとも10人の遺体を発見しており、その中には小さな子どもの遺体も含まれている。
チュニジアのアフリカ系黒人は、カイス・サイード大統領が2月に「サハラ以南の移民は国のアイデンティティと人口構造を変える陰謀の一部だ」と発言して以来、差別と暴力の増大に直面している。
“非正規移民の大群が暴力、犯罪、容認できない悪習をもたらす。” と述べた。
国家安全委員会での彼の発言は該当地域及びチュニジア全土にわたる長年の緊張を煽ったが、特に港町スファックスや他の東部沿岸の町のチュニジア人と移民の間に緊張が走った。
国連やその他の統計によると、チュニジアはリビアに代わって、イタリアへの命懸けの地中海横断を試みる人々の主な出発点となっている。
7月20日までにチュニジア当局が摘発した外国人移民は1万5000人を超え、前年同期比で倍以上になった。メル・フェキ内相は今週、国会でこう述べた。
彼はサハラ以南の移民の流入を非難し、 チュニジアが“通過国”になることは受け入れられないと述べた。
チュニジア当局は、緊張の高まりに反応し、黒人の移民や難民を取り締まり、沿岸部の都市から何人かが検挙され、リビアやアルジェリアに送られた。— 深刻な人権侵害、移民に対する虐待、集団強制送還の長い実績を持つ国である。
人権団体、リビア当局、そして移民たち自身は、国境を越えた大量追放が国際法に違反しているとチュニジアを非難している。
チュニジア当局は長い間、こうした非難に対する直接的な反応を避けてきたが、木曜日、内務省は “国境外の砂漠にいるアフリカ人” ついての責任を否定した。
同省はチュニジアの国境を守る権利を強調し、 “人道的義務” を遂行すると主張した。
内務省はまた、ソーシャルネットワークや報道機関に掲載された内容を公開しないよう警告を発し、最近の声明では、チュニジアが不正確とみなした情報を流した者には最高10年の実刑を科すという暗黙の了解を示した。
AP